体だけでなく利用者の心もケアも

介護施設や通所介護事業所などで利用者の身体介護を担当するだけでなく、一人ひとりの利用者が不安なく暮らせるようサポートする役割も介護士には期待されています。
特に、うつ病や認知症などの問題を抱えている利用者の悩みを聞いたり、明るく生活を送れるよう助言をしたりするにはメンタルケアに関する基本的なスキルを身につけることが不可欠です。

介護士のメンタルケアの習得に取り組んでいる事業所では、年に数回の精神科医や臨床心理士など専門家による研修を実施して、それぞれの介護士が個々の利用者に上手く対応できるよう支援を行っているところが多くあります。
また、事業所によっては介護サービスの質の向上のため、メンタルケアに関する研修を受講した人や資格を持つ人を対象に特別手当を支給したり、役職を与えたりしているところもあります。

メンタルケアを実践するには、コミュニケーションや傾聴、声掛けの仕方など様々な知識や技術が必要となります。
そのため、介護現場で自信をもってメンタルケアをしたい人は、職場で研修を受けるのはもちろんのこと、仕事終わりや休日を使って自主的に勉強会に参加をするのも有効です。

なお、メンタルケアの必要性については、勤務先の事業内容や利用者の人数、日々の利用者とスタッフとの関わり方などによって大きく異なります。
そこで、求職中に様々な事業所のメンタルケアの取り組みに目を向けて、将来的に安心して働ける職場を見つけることが大事です。